2008.08.18.
僕は当時パーソンズのDesign & Technologyという学部に在籍しておりまして。
名前のとおり、何をやっているのかよく分からない学部なのですが、
実際生徒達も皆やっている事がばらばら。
僕のように卒業制作に映像を作る者もいれば、
ウェブサイトを作る人、クレイアニメーションを作る人、
中にはロボット作る人もいました。
ただ、そんな中でも音楽をやっている人は多かった。
一つ上の学年には、ニューヨークを代表する奇妙奇天烈バンド、
“clap your hands say yeah”のメンバーもおりました。
http://www.clapyourhandssayyeah.com/
同級生にレオというプエルトリコからの留学生がいたのですが、
彼の作る音楽はとてもカッコよかった。
彼はel medioと言うバンドをやっていて、
学業の暇を見つけてはライブをやっていました。
一度ウィリアムズバーグの片隅でのライブを観に行った時、
冒頭にやった曲のリフがくるりの“ロックンロール”と言う曲によく似ていて、
何だかとてもテンションが上がったのを覚えてます。
プエルトリコでも、日本でも、よい音楽を鳴らす者はいるのだな、と。
そしてとてもよく似たリフでもって、僕を高揚させるのだな、と。
ある日の授業前、僕がzazen boysの“crazy days, crazy feeling”という曲を何となくかけていたら、
クラスメート数名が、「カッコいいなー」と呟いたのを僕は聞き逃さなかった。
ニューヨークという街は、色々な国の音楽が流れ、そして溶け込む場所です。
当時の僕はiPodにお気に入りのプレイリストを作り、
※プレイリストのタイトルは“愛しさと切なさと心細さとイヤホンから大音量で流し、よく街を練り歩いていました。
プレイリストに入っていたのは
・「ブルーの構造のブルース」 小沢健二
・「something big」 バート・バカラック
・「perfidia」 サビア・クガート
・「平和に生きる権利」 Soul Flower Union
・「カム・シャイニング」 佐野元春
・「thieves in the night」Black Star
・「bluebeat & ska」 Matumbi
・「ヒタリーを聴きながら」 七尾旅人
・「o leaozinho」 caetano valoso
・「ここにいる」 中村一義
・「遥かなる」 The Groovers
・「ある光」 小沢健二
・「how to go」 くるり
このかなり節操のない、折衷主義的なプレイリストでも、
ニューヨークの街は受け入れてくれます。
街を自分色に染めて歩く事が出来ます。
パーソンズへの通学途中、
僕はこんな風に音楽を聴いて、
まるでニューヨークは自分のものであるような錯覚を積極的に起こし、
ビルと排気と異臭に包まれた美しい街並みに酔いしれ、
自らを奮い立たせ。
日々を過ごしていた。
そんな気がします。
先週、パーソンズの卒業生として、パーソンズ入学希望者の皆さんと座談会をさせて頂いてから
何だかふとした時にパーソンズの事を想い出す今日この頃です。
死なず死なずのうちに年を取った僕は
座談会に来ていた、これから留学を志すキラキラと目の輝く若者達を見て
数年前、留学した頃の自分を思い出して。(当時から既に目は死んでいたものの。)
細かな話はまたいつの日かの機会に取って置き、
パーソンズに合格した僕は、渡米し、ニューヨークに住まい、A列車に乗り、