2011/01/03

2011

人影疎らな渋谷の夜。
寒さに耐えられずうろつく浮浪者。
ホテル街の片隅。青い看板。
込み上げる熱気。地下2階の喧噪。
ステージに前のめりになる観客。

バリトンの様な声で、響き渡る様な声で、
でも静かに、諭す様に観客に語りかけるMC。

「明けたぞ。
始まったぞ。
待ったなしだぞ。
109めの鐘を鳴らすのはオマエだ。
迷う事をやめるな。
彷徨う事をあきらめるな。
失ったものを忘れるな。
何かを得る為に、何かを失う事を恐れるな。

かじかんだ手に、生暖かい息を吐く暇があるなら、敵を殴って暖めろ。
しびれた足先を暖めたいなら、ただ進め。

20年後をぼんやりと、
5年後をしっかりと見据えろ。
sustainabilityに唾を吐け。
survivabilityを持って生き抜け。



今日のこの日を、この瞬間を、この一語一音を繋ぎ、唄おう。」

静まり返る観客。
地を這う様なドラムとベース。

熱狂。絶叫。

目を閉じて、
再び開けると、
もうフロアは伽藍としていて、
階段を上ると空は明るい。

定まらない足元で、
行く宛てもなく歩き始める。


そんな夢を見た。

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